多摩地域の現状

2016年12月20日の東洋経済ONLINEの記事を読み、私は衝撃を受けた。

その内容を要約すれば、人口減少が叫ばれる昨今、東京23区の人口だけが増え続けているというのだ。私が住む多摩市だけではなく、いわゆる多摩地域(23区以外)からバブル期2世が続々と都心に転居しているという内容だった。

1970年代から80年代にかけて、「ベッドタウン」として開発され、成長してきた多摩地域。都心へのアクセスの良さに加え自然豊かな環境を理由に、家族世帯を中心に人気を集めた。

ところが、多摩で育った同世代(子育て世代)は、より都心に転居しているというのである。中でも28歳から37歳の世代の流出が激しい。同誌の言葉を借りれば「郊外の地方化」が始まったのだ。つまり、多摩エリアはもはや現役世代(働き盛りの世代)にとって、ベッドタウンとしての機能を担えていないのである。

たしかに、都心へのアクセスが良いとはいえ、多摩地域から企業が集中しているエリアへは少し距離はある。日本における労働環境は昨今ますます問題視されているが、遅くまで残業をして「そこから多摩に帰るのが面倒くさい」「少しでも職場の近くに住みたい」という願望があるのだろう。

 

多摩地域の再生のために

東洋経済の記事の著者、三浦展氏は記事の最後をこう締めくくっている。

郊外に「働く」機能を付加し、そこから付随して、休む、出会う、交流する、発想する、考える、創造する、といった機能を持った都市へと発展させていく。こうして、もはや単なる郊外ではないという状態に持って行く必要があるのだ。

この意見には、私も同意している。現状、多摩地域での雇用は十分とは言えず、23区に流出してしまう現状にうなずける部分がある。

国として「働き方の見直し」を進めるのが先決であるのは言うまでもないが、それだけでは多摩地域の活性化にはつながらないだろう。

大好きな多摩地域(多摩市)の住人として率直な意見を言えば、多摩地域に住んでいる人には、どこか「諦め」が感じられるのも事実だ。「多摩ニュータウンは過去のもの」そうした考えが、多摩地域に住む人の心のどこかにあるのではないだろうか。

 

多摩地域の立ち位置を明確にする

私は多摩地域には、都心にはない魅力が語りきれないほどあると感じている。

もちろん、人によりライフスタイルについての価値観は異なるだろう。しかし、「知ってもらえれば」そして多摩地域の人々が「自分たちの手でもっと地域を盛り上げて、過去の栄光だけではない」という意識を持てば、多くの人に多摩地域に住むという選択肢を与えることができる。再生の道は十分に残されているのだ。

都心に人口が集中する現象の裏では、「移住ブーム」があり、少なからず都心から地方へという流れもできてきている。その理由はさまざまだが、都心の騒がしさに疲れた人、自然豊かな場所で暮らしたい人、地域のつながりを感じながら生活したい人が、一定数存在しているのも事実だ。そうした層にもアプローチできる力が、多摩地域にはあると感じている。

現在の多摩地域は「都心・郊外、どちらの機能も果たしています」という中途半端な状態になっている。転職の採用面接などで「企画も営業もどちらも同じくらいできます」という人と「企画には誰にも負けない自信があります」という人とでは、(一概には言えないが)後者が有利になる場合が多い。

多摩地域も、その中途半端さから脱し「地方として負けない自信があります」と、思い切って鞍替えする勇気も必要なのではないか。三浦氏の言うように、一つの地方として独自の路線で盛り上げていけばいいのである。

 

自分から発信することの必要性

私の周りの多摩地域の人々は、この地を愛している人も多い。その愛を、もっとアピールし発信していくことが、価値を高めることにもなるだろう。

故マイケルジャクソンの名曲に「Man In The Mirror」という曲がある。ご存じの方も多いだろう。その歌詞の一節にこんな言葉がある。

I’m starting with the man in the mirror 

僕は鏡の中の男に呼びかける

I’m asking him to change his ways

まずは自分から 生き方を改めようと

And no message could have been any clearer

メッセージは単純明快

If you wanna make the world a better place

世の中をよくしたいなら

Take a look at yourself and then make a change

自分を振り返って自ら変えることさ  

(引用元:http://blogs.yahoo.co.jp/shunshouataisenkin/32178371.html)

この歌詞にあるように、「誰かが」ではなく「自分が」という意識を持ち、自ら変わっていくことが必要なのだ。

私も、人生の多くの時間を多摩で過ごしている。まずは私も先陣を切って、多摩地域の魅力を自分なりの表現方法で発信し続けていきたい。

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