matryoshka(マトリョーシカ)の魅力

2018年も後半になり、秋の気配が漂っている。肌寒さを感じると、思い出す曲がある。

今年の前半は、東京も何度か大雪の日があった。部屋の窓から徐々に積もる雪を眺めながら、仕事をしていた。その時に聞いていたのが、matryoshka(マトリョーシカ)の「sacred play secret place 」。今でもこの曲を聴くたびにその時の、窓からの風景を鮮明に思い出すことができる。

これほど美しい曲は、なかなか出会うことができない。matryoshkaの曲には、不思議な力がある。その魅力を、少しでも言葉にしてみようと思う。

 

matryoshka(マトリョーシカ)とは

matryoshkaは、2007年にデビューした日本の音楽ユニット(男女2人)である。「トラックメイカー」のSen(セン)、ボーカルのCalu(カル)が紡ぐ音楽は、「エレクトロニカ」とも「ポストロック」ともカテゴライズされる。

楽曲提供やトリビュートアルバムの参加など、幅広い音楽活動を行っているが、その知名度は決して高くはないかもしれない。

そもそも「マトリョーシカ」というのは、言わずもがなロシアの民芸品(入れ子型の人形)である。ユニット名の由来こそわからないが、ロシアのような雪国を思わせる楽曲が多いのは確かだ。

matryoshka最大の魅力は、曲の「美しさ」だろう。どの楽曲も透明感があり曲が始まると、まるで曲の中に吸い込まれてしまうかのような、ある種「恐怖」にも近いくらいの引力がある。

sacred play secret place

「sacred play secret place 」は、2ndアルバム「Laideronnette」に収録されている。

現在Apple Musicでは、「Laideronnette」に加え「pseudepigrapha」「coctura」の3枚のアルバムを聴くことができるが、「sacred play secret place 」はトップソング1位に常に君臨している。

静かなピアノのイントロ。透明感のある歌声に、雰囲気を創り出すサウンド。単なる心地よさを超え、半ば強制的に耳元から情景や空気を脳内に映し出す。

人間は香りの記憶をよく覚えているという。それと同じように、この曲を聴くと、必ずあの日の雪の風景とその美しさを思い出す。そんな力を持った曲だ。

 

情景を与える、空気を作る音楽

筆者自身、目標としている音楽は「情景を与えることのできる音楽」。その情景は、同じでなくて良い。音楽を聴いた人それぞれが、何かしらの映像を想起させるような音楽を作りたいと思っている。

matryoshkaをはじめ、筆者が好きなアーティストの共通点はそこにあるかもしれない。

それを実現することは、容易ではない。ただ、matryoshkaのように、それを体現しているアーティストの音楽に触れ刺激を受けながら、作曲を続けていこうと思う。

話がだいぶ逸れてしまったが、matryoshkaをまだ知らない方は、その空気感を一度味わってもらいたい。

matryoshka公式HP

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