株式投資は「売買」だけではない

株は「売買するもの」であることは、株式投資未経験の方でも容易にイメージができるだろう。もちろん、それは間違いではない。

株を安い時に買い、高い時に売る。株式投資の大原則だ。それは、キャピタルゲインと呼ばれる「差益」による収益である。

ところが、株式投資で得られる利益は売買差益による「キャピタルゲイン」だけではない。株を「保有」しているだけで、収益を受けることができる。それが「配当金」である。

この記事では、株式投資特有の配当金の仕組みを基本的な部分から解説する。

 

株式の配当金とは

配当金を一言で言えば、上場している企業が利益を出した場合に、その利益の一部を株主に還元するお金のことである。

配当金の金額は企業により異なっており、中には無配当の銘柄も存在する。後ほど説明する「配当利回り」という指標があり、配当金を受けるためには、それを確認することが必要だ。

本来、株を保有するという行為はその企業を応援し、将来性に投資を行うことと言い換えることができる。つまり株主は「出資者」である。そう考えれば配当金は、企業から支援をしてくれた方への感謝の気持ちと捉えることもできるだろう。

 

株式の配当金が支払われる時期

では、配当金はいつの時点で受け取ることができるのだろうか。結論を先に言えば、配当金の支払時期は企業によってさまざまである。

多くの企業は3月、9月に決算期が集中しているのは、ご存じの方も多いだろう。決算期から三カ月ほどたった時期に、配当金が支払われるケースが多い。企業によってはその時期に限らず、年に数回の配当金の支払いを行なっていることもある。

また、利益を投資に回すために配当金の支払いを行っていない企業や、利益が出ずそもそも配当金を出せない企業も存在する。

 

配当金を受け取るための条件

ではもし、あなたが配当金ありの銘柄を保有する場合、どれくらいの期間株を保有していれば配当金を受け取れるのだろうか。

実は、「権利確定日」と言われる日に株を保有していれば、保有期間に関係なく配当金が受け取ることが可能だ。

ただし、株主として扱われるのは「株を購入して3営業日」を要するため、正確には「その日だけ保有」というとはできない。つまり、月末の31日が権利確定日になっている場合、3営業日前の28日に該当銘柄を購入・保有をすることで、配当金を受け取ることができる。

ご存知の方も多いと思うが、「株主優待」という制度を設けている企業もある。株主優待についても同様の考え方を取っているため権利確定日を狙い、株を一時的に購入するという人もいる。

一方、それらの利益確定日の需要を見越し、価格上昇(需要が集中)することを狙い、事前に該当銘柄を購入しておく手法も存在する。しかし、投資の世界に絶対は存在しない。見込みが外れることも大いに考えられる点は、注意したい。

 

配当金の税制上の扱い

配当金は「所得」として扱われる点には注意が必要だ。つまり、配当金も課税の対象なのである。

配当金はもともと企業の利益の一部だが、それには既に法人税が既に課せられている。それに加えて、さらに所得税を課すことは二重課税となるため、「配当控除」という項目が設けられている。

配当金を受け取った際は確定申告により「配当控除の申告」をすることで、その問題が解決される。配当金を受け取ったら、確定申告をするということを忘れないようにしたい。

 

株式の配当利回りとは

さて、はじめに少し触れた配当利回りについて、詳しく説明しよう。配当利回りとは「配当利率」と言われることもあり、次の計算式で算出される。

1株あたりの配当金額÷株価×100=配当利回り

上記の式をご覧いただくとわかるように、「1株あたりの配当金額」が大きく「購入時株価」が小さいほど、配当利回りは高くなる。

しかしながら、配当利回りが高いからといって、企業の業績が好調な優良企業とは一概には言い難いのが株式の難しいところ。株価は常に変動している。先ほどの式を、もう一度見てもらいたい。配当利回りは1株あたりの配当金額が増えた場合に加え、株価が下がった場合にも上昇することがわかる。

つまり、多くの人がその企業の株を売っていることにより株価が下がり、配当利回りが上がっているというパターンも考えられるのだ。

これらのことから、配当利回りが良いからという理由だけで、その企業の株を購入することは避けたほうが無難だろう。購入するのであればその中身、つまり配当利回りの構成要素の数字まで確認することが必須だ。

 

配当金が高い企業の特徴

では最後に、配当利回りが高い企業の特徴について見てみよう。

高配当な企業の特徴の一つに「JASDAQ上場企業」であることが挙げられる。JASDAQはもともと、ベンチャー企業、成長企業向けの市場と言われている。その分いわゆる「大化け」する銘柄も多くあるのは事実だ。

しかし、JASDAQ上場企業の中には十分な経営基盤を築けていないというケースも考えられる。業績が安定せず、価格の変動が大きくなり、配当利回りに影響を与えていることも想定できる。

もちろん、JASDAQ企業の株を保有することを否定しているわけではないが、「高配当株」というだけで飛びつくのは控えたほうがいいだろう。

配当金は株式投資に特有のシステムで、そこに株式投資の魅力があるとも言える。保有期間は関係のない配当金だが、それだけを狙うにしても十分な知識は必須だ。総合的な判断で株式投資を行って欲しい。